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作字をするときに心がけていること

Designer

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Nakayama

作字をするときに心がけていること

公開日:2024/4/24

僕は勉強の一環として、100日デザインチャレンジと銘打ってInstagramに作字やタイポグラフィーを毎日1つ作って投稿することを行なっています。2024/4/24現在、88日目を迎えまして、いつの間にかあともう少しというところまで来ています。

先日、知人のデザイナーさんから「いつもどんなツールを使って作っているのか?」ということを尋ねられました。その時はざっくりとお伝えしてしまったので伝えきれてない部分もあって、今回は完全アンサー記事ということでこのテーマで書こうと思いました。確かに、僕もインスタ毎日投稿を始めたばかりの頃は作字ってどうやってやればいいのか正直ほとんど何もわかっていないところからのスタートだったし、何なら今でも多分自分の作り方は変なところもあるんじゃないか、、もっと正確に早く作れるためには、、表現の幅はまだまだ広げていきたいけどどうすればいいのか、、と色々思ってます😅

自分の中ではなんとなくルーティン化できるようになったけども、制作プロセスを言語化しておくことで他の人に話すときにもこれがいつか役に立つ日が来るかもしれない。今現時点でのやり方はこうだけど今後進化してやり方が変わっていくかもしれない―。過去を振り返ったときにあの時はどうしていたかを振り返れるようにするために、つまり自分のためにも大事だと思ったのでまとめようと思いました。

具体的な解説として実際に僕が制作した「喫茶店」「電波ジャック」「春一番」という制作物の3つを例に挙げていきたいと思います。

1.喫茶店


まずイメージとしてはノスタルジックで昔懐かしい感じを表現したいと思いました。
この時は始めたての頃だったのでYouTubeで作字をメイキング動画として紹介しているチャンネルを探していました。その中でこちらの動画を発見して参考にして作っていった感じです。

参考動画
僵尸パア
【デザインメイキング】壱周年記念タイトル作字してみました【illustrator】

この解説動画のように、変形させた長方形と円を組み合わせながら1つ1つのエレメントを作っていくことで今回のテーマである喫茶店にも応用させた例になります。文字サイズのバランスをとるためには、1文字ごとに枠をつけることと、下書きのようにして文字を置いてトレースすることがポイントかなと思いました。

そして完成したものがこちらです。
「喫」の中にある「大」の字を男性のマスターの髭のようにすることでオリジナリティが出せたかなと思います。基本的に縦横垂直で構成されている漢字なんですが「茶」のところが斜め線になるので調整が難しく何度もバランスを見ながら調整した記憶があります。最後に背景にノイズを足して味を加えました。

2.電波ジャック


こちらもYouTubeのチュートリアルをもとに作成したものになります。これを見てパスピエの電波ジャックという僕の好きな曲が頭をよぎったのでその世界観をコラボさせたいなという思いで作りました。
 

参考動画
のぴこっこ
【 Adobe illustrator 】電波:作字デザインメイキングチュートリアル

ここではペンツールを使って文字を作っていくテクニックです。イラレに慣れてない僕はペンツール恐怖症で苦戦しながらやってた記憶がありますwでも今思うとここでパスの扱いに慣れることができて良いトレーニングにもなりましたね。ここでもやはり文字を置いてトレースしていたので作字の基本なんだと思いましたね。

完成したのがこちらです。
PVの世界を意識した“サイバーゆるカワイイ”配色にしました。「ジ」の濁点と「ッ」の点々を稲妻のエレメントに合わせることで統一感を図りました。

3.春一番


これは割と最近のもので、完全オリジナルで作成したものになります。その時の工程や意識したことを書いていきたいと思います。これを作った日が風が少し吹いていて、暖かさを感じてきた日だったので春っぽく軽やかで爽やかな少し動きのある文字にしたいと考えていました。

①ラフを描く
書きたいと思った単語をまず紙に書いてみます。この時は上手く書こうとせずにその時の感情や世界観を出すことを意識しながら、とにかく量をたくさん書き、その中から良いものをピックアップしています。書いたら紙をスキャンは特にせずにスマホでカメラで撮影します。

②Illustratorに下書きとして配置する
撮影したデータをイラレに配置しますが、あくまで僕の場合、骨となる部分しか書いていなくて、肉付けはイラレで行うので精密にトレースする必要はないと思います。画像トレース機能の[白黒ロゴ]で読み込んでいます。

③ペンツールでなぞる
滑らかな線なのでペンツールでなぞっていきます。このときに気をつけていることは色を最初から付けずに白黒で描いていくことです。また、文字のバランスの調整も違和感があればここで行います。

④線の抑揚をつけていく
最初の完成イメージ爽やかな春っぽさに立ち戻り、線幅は今より細めに、風なびく躍動感を出したいので線形も調整しようと思いました。線形プロファイルを変更してパスの先端がだんだん細くなっていくやつがあったのでこれを採用しました。イメージにぐっと近づいてきましたね。

①〜④の工程を通して骨組みから肉付けをしていく感じになりました。最後に洋服を着せたら(色付けや最終調整)完成です。

まとめ

いかがだったでしょうか。最初は作字ってやってみたいけど何から始めたらいいんだろう?というところから100日も続くのか?というところからのスタートでしたが何とか今まで続けることができていて、ある程度は描きたい文字を描ける楽しさを見出すことができつつある状況になりました。そして88日前の自分にも見せてあげたい内容にはなったんじゃないかと思いますw

100日達成したら一区切りとしてチャレンジ前と後の変化や気づきなど改めて振り返りを行いたいです。こんな感じで作っているので、もしよければ僕のこれまでの投稿をのぞいてみていただけるとありがたいです🙏